「私のどこが好き?」
「逆に聞きたいよ『どこが好きっていわれたい?』ってね。
例えばキミの『目』が好きってボクが言ったとするじゃん?
これってすげぇキミに失礼なことだとボクは思ってしまうんだ。
だって『目』は体のごく一部でしかなくて、
キミ自身の身体の何兆分の一の細胞なわけだ。
ボクがそこを好きって言い切ってしまうことによって、
他の何兆という細胞は『普通』もしくは『嫌い』、『大嫌い』『超嫌い』…
とにかく好き『未満』になってしまうんだ。
それってキミを一個体として総体的にみた時に本当にキミのことを好きっていえるのかな?
って疑問に思うし、
じゃ目がもっと素敵なヒトに出会えばそのヒトの方がもっと好きになるんじゃ…
なんていう心配をキミに与えてしまう可能性が生まれてしまうわけで…」
「それは外見の部分だからよ!もっと内面で言ってくれればいいじゃない!」
「内面で言えばもっと不安定なものになってしまうんだ。
例えばキミの『優しいところが好き』って言ったとするじゃん?
これならちゃんと内面まで見てくれてるって思うかな?
ボクはそうは思わないんだ。
だって四六時中キミと一緒にいるわけでもないし、
見張ってるわけでもなくて、
キミといる時しかキミのことを見ることが出来なくて、
つまりボクといる時のキミしかボクはみてないんだよ、
それってつまり、
『ボクのみていない時のキミは知らないけど、
ボクの見てる前のキミは優しいから好きだよ』
ってことになるじゃん?
嫌だよ。
ボクはきっとボクの前にいない時のキミも好きなのに…。
それならまだ『目』の方がいいんだ。
ボクの前でもそーでないときでもきっと同じ目だからね。
それにヒトは好きな人の前だと優しくなる傾向はあると思うんだ。
それにヒトの優しさってとらえ方によると思うんだ。
それにヒトの優しさってどういう基準なんだろうって思うんだ。
それじゃヒトの優しさってなんなんだ?
少なくともキミの半分以上が優しさでない限りバファリンに負けるわけだ。
でもヒトの80%は水分なわけで…
じゃキミの優しさはバファリン未満かい?ってことになる。
じゃ『全部』という答え。
これが一番ヒトが相手を一個体として好きになった時の、
本当の気持ちに近いんじゃないかな?
でも、これはきっとキミが、女の子が一番つまんなーいって思うだろ?
だからいつも男はこの手の質問に一番困るんだ。
そう今こう時間をかせぎながらも、
ボクも人生の中でもトップ5入るほど困っている…
どこが好きか…
外見かな…
性格かな…
うーん…
うーむ…
こんな風にキミのことならどれだけでも考えてられるとこかな。」